経済はイマイチなのに、コンプラやらなんやら社会全体の意識は高くなり、
個人としても企業経営においても、世知辛い世の中です。
どうしたもんですかね。
世知辛いの「世知(せち)」は、もともと仏教用語。
世俗の知恵、すなわち処世術や計算高さを意味します。
経営者やコンサルタントが使っているノウハウこそが世知。
世知辛い世の中とは、それらが通用しなくなった状態ということです。
その証拠に、
最近の成功している経営者やデキるビジネスマンは
サイコパスばかり。
目的達成のために他人のことなど考えもしない、
ある種のバカしか勝ち抜けない時代です。
孫悟空の頭には、「緊箍児(きんこじ)」と呼ばれる
輪がかぶせられています。
三蔵法師が呪文を唱えると締め付けるあれです。
人間は誰しも、頭の中に緊箍児を持っています。
本能がむき出しだと社会生活ができないので、
セーブしているのです
サルのまま、つまり本能むき出しのバカは、
行動力がバツグンだが生きられない。
しかし、考えすぎても頭が締め付けられて苦しく、
結果として行動できず、
人の心に影響を与えることもできない。
意識高い系の頭でっかち人間が増えすぎた現在、
無駄に高まった意識をあえて低めにコントロールすることで、
人智を超えたモンキーマジックを生み出します。
『ちょいバカ戦略 ―意識低い系マーケティングのすすめ―』 (新潮社)
小口覺(おぐちさとる)
1969年兵庫県生まれ。明治大学法学部卒業。雑誌、Webメディア、単行本の企画・執筆などを手がけるライターコラムニスト。自慢できる家電を表す「ドヤ家電」(日経MH発表の「2016年上記ヒット商品番付」前頭に選定)を生み出す。近年は意識低い系マーケティングをテーマに企業取材を重ねる。著書に「ちょいバカ戦略:意識低い系マーケティングのすすめ」(新潮社刊)など。